前回は、美しい肌を考えるうえで、肌表面だけではなく、その下にあるECM(細胞外マトリックス)という「肌の土台」にも目を向けることが大切だとお話ししました。
ECMは、一度つくられたらそのまま存在し続けるものではありません。
肌の中では、つくる(産生する)↓分解する↓整える(リモデリングする)という変化が繰り返されています。分解すること自体が悪いわけではありません。古くなったものや傷んだものを分解し、新しいものへ入れ替えながら肌の環境を維持することは、本来必要な働きです。大切なのは、「つくる」と「分解する」のバランスが保たれていること。
Re:Suppleでは、これを分かりやすく「ECMサイクル」とお伝えしています。
ECMのバランスは、なぜ乱れるのでしょうか?
肌は毎日、さまざまな影響を受けています。
代表的なものが、紫外線・加齢・酸化ストレス・炎症などです。なかでも紫外線は、肌の光老化に大きく関係しています。紫外線による酸化ストレスは、ECMを分解する酵素の一つであるMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)の発現を増加させることが知られています。
MMPは決して「悪い酵素」ではありません。
本来は古くなったコラーゲンなどを分解し、組織をつくり替えるために必要な働きをしています。
ところが、紫外線や加齢などの影響によって分解と産生のバランスが崩れると、ECMの構造を健やかに維持しにくくなります。
「分解が進む」だけではありません
ここが、ECMを理解するうえでとても大切なところです。
加齢した肌では、単にコラーゲンが分解されるだけではなく、
コラーゲンの断片化が進む
+
新しいコラーゲンをつくる働きも低下する
という両方の変化が起こります。
さらに、コラーゲン線維が断片化すると、ECMに接して働いている線維芽細胞が本来の形を保ちにくくなり、その機能にも影響します。すると、さらにECMをつくる働きが低下し、分解側に傾きやすくなる――。
つまりECMは、単なる「肌を埋めているクッション」ではありません。
ECMの状態と、そこに存在する細胞の働きは、お互いに影響し合っています。
その変化は、肌表面にも現れてきます
ECMは目で直接見ることはできません。
でも、その土台となる環境の変化は、やがて私たちが感じる肌の印象にも関係してきます。

例えば、
ハリ・弾力の低下
乾燥しやすさ
キメの変化
しわ・たるみなどのエイジングサイン
です。
光老化した肌では、コラーゲンの減少・断片化や弾性線維の異常など、真皮ECMの構造そのものに変化がみられることが報告されています。
ただし、ここで注意したいのが**「毛穴」や「赤み」までECMだけが原因のように書かないこと**です。
毛穴の目立ち方には皮脂、角化、毛包構造、加齢など複数の要因があり、赤みも血管・炎症・バリア機能などさまざまな要因が関係します。
ですから、
「ECMが乱れる=毛穴・赤みの原因」
ではなく、
「肌を支える土台の状態も、肌全体を考えるうえで大切な要素の一つ」
と考えるのが適切です。
だから、肌表面だけを整えればいいわけではありません
化粧水や美容液でうるおいを補うこと。
角質ケアで肌表面を整えること。
紫外線から肌を守ること。
どれも大切なスキンケアです。けれど、肌を長い目で考えるなら、
「今、表面に何が見えているか」だけではなく、
「その肌を支えている環境はどうなっているのか」
という視点も持っておきたいところです。
Re:Suppleでは、肌を必要以上に刺激するのではなく、その日の状態を見ながら、
整える・育てる・何もしない
という選択肢も含めてケアを考えています。
肌は、強く働きかければ働きかけるほど美しくなるわけではありません。
今の肌が必要としていることを見極める。
それが、未来の肌を育てていくために大切なことだと考えています。
次回は「LDMとECM」の話へ
ここまで、
② ECMとは何か
↓
③ ECMのバランスが乱れるとどうなるか
をお話ししてきました。
次回はいよいよ、
「LDMは肌に何をしているの?― ECMとの関係から考えるLDM」
についてご紹介します。
「LDMは超音波だから肌に良い」というだけではなく、なぜ異なる周波数を切り替えることが肌環境へのアプローチとして注目されているのかを、できるだけ分かりやすくお話しします。

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